テニスの試合を審判の目線から見てみよう

コートサイドからのこぼれ話

 

今回はテニスの試合を審判の目線から眺めてみたいと思います。

 

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私も以前、東レPPOやジャパンオープン、デ杯、フェドカップでラインパーソンとして活動していました。

全豪オープンのような大きな大会のセンターコートにいるスタッフは主審は1名、ラインパーソン(線審)9名、ボールパーソン(ボール拾い)6名、選手2名に審判10名とボール拾い6名、なんと贅沢なスポーツでしょう!

他の球技でこれ以上の審判が付く競技は思いつきません。 主審は試合終了まで1人で担当しますが、ラインパーソンとボールパーソンは約1時間で次のクルーと交代します。

主審以外は少なくとも倍のスタッフでローテーションしているということです。

 

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他の審判員はわかりませんが私の場合、1日1~2回「しまった!やらかした!」とジャッジで心臓が口から飛び出る程緊張したことがありました。

でも、どんなにやらかしてしまっても顔や態度に出してはいけないのです。(ナイスジャッジでも心の中でドヤ顔!)

「チャレンジ!」でデータ処理されたボールマークがアップで写りそのあとジャッジしたラインパーソンがアップで写りますが

見た目は微動だにしていませんが心の中は・・・お察しします(私なら血圧急上昇!)

審判控え室に戻ってからの反省会で懺悔、又は賛美で気持ちを切り替えて次の試合に臨みました。それでも収まらないときはみんなで飲んで発散しました。

余談ですが、審判員の声の大きさは尋常ではなく、ある飲み屋で盛り上がった翌日お出入り禁止の苦情電話がありました。(ごめんなさい、私もいました!)

 

「チャレンジ!」システムについて

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選手が1セットにつき3回、ジャッジに異議申し立てができます。

どうやってコンピューター映像処理システムを作るかですがとても原始的です!

大会前にコート上に数百、数千ものボールを散らかし10台程のカメラで1つ1つ撮影しコンピューター処理をしていきます。

大会前半ではコンピューター処理したボールマークと実際のボールマークが微妙にズレることがあり

試合が進むにつれて精度がアップしていきます。

 

 

試合中の飲み物について

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錦織選手がエンドチェンジのときペットボトルのドリンクを飲んでいますがラベルがあるものとないものがありますが、どうしてかわかりますか?

大きな大会ではメーカーが決まっていてコート内に他のメーカーを持ち込むことができません

そこで、スペシャルドリンク等はボトルのラベルをはがして持って入ります。

錦織選手が栄養補給している「ウイ○ーイ○ゼリー」もメーカー名が見えないようバックの中で握りしめてから口に運んでいました。

ラインパーソンもコート内のポジションにドリンクを持っていけます。もちろん指定されたドリンクで1日数本支給されます。

ところが主審(外国の男性)が背もたれから出したのがラベルそのままの「コカ・○○ラ」全くの別メーカー!!「えーっ!」

控え室に戻ってからクルーみんなが目撃していて、その主審に「○ーラ君」とあだ名をつけてしまいました。

主審とはいえ、その上のディレクターやスーパーバイザーに怒られないのかな?

確か、翌日も「コカ・○○ラ」背もたれから出してたけどなー

 

 

次回は錦織選手のニュースで一時話題になった試合中にプロがトイレに行くときのエピソードをお話しします。

皆さんは試合中にトイレに行きたくなったらどうしますか?

 

今月のベストドレッサー賞

残念ですが該当者無しでした